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時計の部品図鑑

時計の部品解説です。わからない用語等参考にしてください。


       


外装名称
ブレスレット
金属製のバンドをブレスレットと言います。
ラグ
足とも言い、バンドを挟み込む形になっています。
ベゼル
青い目盛りが書いてある部分です。回転するものや目盛りも無いものなど色々な種類が有ります
エスケープバルブ

飽和潜水によるヘリウムガスをケース内より放出するためのバルブです。通常のダイビングなどでは使用しません、開放したままにしておくと内部に水分が入る危険があります。

プッシュボタン
クロノグラフのストップウォッチ作動ボタン、一般的なものでは上がスタート、ストップ。下がリセットボタンです。
リューズ
ゼンマイの巻上げ、時刻合わせ、日付合わせなふどを行います。画像のモデルはケース側にねじ込んでロックすることにより防水機能を高めるようになっています。
エンドピース
バンドの一番端のケースと接続する部分です。
30分積算計
ストップウォッチの分を計ります、1目盛り1分、30分で針が一回りします。
センターセコンド
ストップウォッチの秒を計ります、1分で針が一回りします。
スモールセコンド
時計の秒針です。
12時間積算計
ストップウォッチの時間を計ります、1目盛り30分、12時間で針が一回りします。
カレンダー
日付を表示します。曜日を表示するもの、窓ではなく針で日付を示すタイプなどもあります。
美錠(尾錠)
ベルトのバックルにあたります。
つく棒
ベルトの穴に刺し、固定します。
定革
バンドに固定された輪で、美錠から余ったバンドを通します。
遊革
バンド上で動かすことが出来る輪で、美錠から余ったバンドを通します。
子穴
つく棒が入りバンドを固定します。

ゼンマイ
香箱
中が空洞(箱)になっており、この中にゼンマイが入っている。ゼンマイがほどけることにより、外側についている歯車が回転する。
香箱芯
香箱の中央にありゼンマイの内端が固定されている。香箱芯の上は四角くなっており、角穴車の四角い穴にはまり、角穴車が回転すると香箱芯も一緒に回転し、ゼンマイが巻かれる。
ゼンマイ
機械式時計の動力源であるバネ。渦上に丸めて香箱内に収められる。

巻上関連部品
鼓車(ツヅミ車)
中心に四角い穴が空いており、リューズの芯、巻芯の四角い部分が入る。リュウズを回すことにより、一緒に回転し、ゼンマイの巻き上げ、時刻合わせなどを行います。
キチ車
ツヅミ車と噛み合うことにより回転し、ゼンマイを巻き上げるための車(丸穴車)に連結してゼンマイを巻き上げます。
丸穴車
角穴車とかみ合っており、ツヅミ車の縦の回転を横の回転に変換して角穴車に回転を伝える。ネジは丸穴車の回転により緩まないように逆ネジとなっていることが多い。
コハゼ
丸穴車や角穴車がゼンマイの巻き上げ方向にだけ回転し、逆回転してゼンマイがほどけないように制御している。
角穴車
真ん中が四角い穴となっており、香箱芯が入る。丸穴車とかみ合っており、リューズを回すことにより巻き芯→ツヅミ車→キチ車→丸穴車→角穴車→香箱芯と回転しゼンマイが巻かれる仕組みとなっている。
コハゼの制御により香箱芯が固定されるため、ゼンマイのほどける力は香箱を回転させ、連なる歯車を回転させる。

歯車類
香箱車
中が空洞(箱)になっており、この中にゼンマイが入っています。ゼンマイがほどけることにより、外側についている歯車が回転します。時計の動力源
2番車
1時間で1回転します。単純な時計ではこの歯車の芯に分針が取り付けられます。
3番車
2番車が1時間に1回転、4番車が1分間に1回転、3番車はこのふたつの歯車の間で歯数比などを考慮し、調節しています。
4番車
1分間に1回転します。単純な時計ではこの歯車の芯に秒針が取り付けられます。
ガンギ車
アンクルを介してテンプにエネルギーを与える。アンクルによりガンギ車の回転を制御し時を刻みます。

脱進機
アンクル
ガンギまでの歯車の回転運動をテンプの往復運動に変換する部分。テンプの一定周期の動きにより歯車の回転を制御し時を刻みます。
ガンギ車
アンクルを介してテンプにエネルギーを与える。アンクルによりガンギ車の回転を制御し時を刻む。時計の刻音は、ガンギ歯とアンクルの衝撃音です。

時計の心臓部
テンプ
ヒゲゼンマイとテンワからなり、掛け時計で言うと振り子の役目。テンプの往復運動で歯車の動きを制御し時を刻みます。
テンプ受け
テンプをはさんでいる板、これにヒゲゼンマイの外端(ヒゲ持ち)が取り付けられています。
ヒゲゼンマイ
渦巻状に巻かれてテンワと繋がっている。伸び縮みすることによりテンワが左右に往復運動します。
ヒゲ持ち
ヒゲゼンマイの外端を掴んでいる。テンプ受けに取り付けられる。
天芯
テンプの中心の軸。非常に繊細なため耐震軸受で守られています。

耐震装置・穴石
耐震軸受
衝撃から守るような耐震機能を持った軸受け。パラショック、インカブロック、ダイアショックなどの種類があります。
受け石
耐震軸受けで、芯を上から押さえる石
ショック吸収バネ
耐震軸受けで、受け石を押さえているバネ。衝撃時、通常バネにより押さえつけれれている受け石が移動しショックを吸収します。

リューズ・巻芯

リューズ
ゼンマイを巻いたり時刻あわせの際に使用します。1段引き、2段引き、あるいは右回転、左回転などにより色々な操作ができます。
※1:ねじ込みロック式リューズの場合この部分が伸縮します。
巻芯
リューズと機械(ムーブメント)を接続する軸を巻真と呼びます。抜け防止のピンが付いているタイプとジョイントタイプがありますが、ジョイントタイプはリューズを強く引き抜くことで分解されます。ジョイント方式はあまりありません。

裏周り関連部品
リューズを引くことにより、ツヅミ車が小鉄車と噛み合い、リューズの回転により日送り車までの歯車が回転します。
ツヅミ車
中心に四角い穴が空いており、リューズの芯、巻芯の四角い部分が入っている。リュウズを回すことにより、一緒に回転し、ゼンマイの巻き上げ、時刻合わせなどを行います。
キチ車
ツヅミ車と噛み合うことにより回転し、ゼンマイを巻き上げるための車(丸穴車)に連結してゼンマイを巻き上げます。
小鉄車
リューズを引くことにより(一段、または二段)ツヅミ車とかみ合い、ツヅミ車の縦回転を90度変換し横回転に変換している。この先に日の裏車がかみ合っています。
日の裏車
二番車に取り付けられた筒カナと、筒車にかみ合っており、通常は筒カナ12回転(12時間)で筒車が1回転するように調節している歯車。
筒車
時針が取り付けられる歯車。筒カナ(分針)→日の裏車→筒車と回転し、時間を表示します。
筒カナ
二番車の芯に圧入されており、通常は二番車と同時に動く(一時間に1回転)。針合わせ時は、リュウズ→巻真→ツヅミ車→子鉄車→日の裏車→筒カナと回転する、そのとき筒カナと二番芯はスリップします。
日送り車
日付を表示する日車を回転させる歯車。24時間で一回する。日車を送るための爪にバネ性があり0時ちょうどに日車を送るものもあります。
日車
日付を表示する車。通常1~31の日付が描かれています。

自動巻き機構
巻き上げ機構A
ローター
自動巻き用の錘。腕の振りなどにより、軸を中心に回転する。
ローターベアリング
自動巻き用の錘の回転軸、この自動巻き機構ではベアリングを使用している。
切換車
ローターどちらの回転でもゼンマイが巻き上げられるように回転を切り換える仕組みの車
ローター受け
自動巻き機構の車が載せられ、地板に取り付けられる。
巻き上げ機構B
ローター
自動巻き用の錘。腕の振りなどにより、軸を中心に回転する。
ローター芯
ローターの回転軸。軸を中心に回転する為、長い間オーバーホールしていないと軸が摩耗していることが多いです。
ローター受け
ローターの軸が入り、切換車や巻上げ車が付く。
切換車A
ローター軸についている車と噛み合っており、ローターの回転にあわせて外側の赤い車が回転する。赤い車が時計と逆回りに回転した場合は爪が内側の銀色の車に掛かり内側の車も回転する。時計回りに回転した場合は爪は噛み合わずスリップして銀色の車は回転しない。
切換車B
切換車Aと噛み合っており、切換車Aの回転にあわせて外側の赤い車が回転する。赤い車が時計と逆回りに回転した場合は爪が内側の銀色の車に掛かり内側の車も回転する。時計回りに回転した場合は爪は噛み合わずスリップして銀色の車は回転しない。
巻上げ車
切換車A、Bの銀色の車と噛み合っており、ローターが時計回りに回転した場合は切換車Aより、逆に回転した場合は切換車Bより回転が伝達され、ローターがどちらに回転しても巻上げ車は時計回りに回転してゼンマイを巻き上げる仕組みとなっている。
【ローターが左に回転した場合】
ローター → 切換車A → 切換車A銀色の車 → 巻き上げ車
※1:切換車Bは切換車Aの回転を受け時計回りに回ります。切換車Bの銀色の車は、巻上げ車の回転を受け時計の逆周りに回転します。このとき切換車Bの爪は噛み合わずに滑ります。
【ローターが右に回転した場合】
ローター → 切換車A → 切換車B → 切換車B銀色の車 → 巻き上げ車
※1:切換車Aはローター軸の回転を受け時計回りに回ります。切換車Aの銀色の車は、巻上げ車の回転を受け時計の逆周りに回転します。このとき切換車Aの爪は噛み合わずに滑ります。

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回路・コイル
回路
クォーツ時計の心臓部で、電子部品で構成されています。全ての機能はこの回路によって制御されています。
コイル
電気を流すことで磁力を発生させます。この磁力によってステップモータを回転させ、その結果時計が動きます。


バネ棒
バネ棒
時計とバンドを留めるための両端にバネが内蔵された棒。突っ張り棒のようなものです。

地板
地板
時計の機械から歯車類を全て取り外した時に残るベース板のことです。